サラワク州は、ボルネオ島北部のマレーシア領内にある州で、面積は半島のマレーシアとほぼ同等の広さを誇るマレーシアの中で最大の州になっています。南シナ海沿岸には、多くのビーチがあり、内陸部には熱帯雨林の密林が多くあることでも知られています。州都はクチンです。
クチンは、マレー語の猫という意味ですが、実は、猫とは無関係です。名前が付いた由来は、諸説ありますが、そのうちの一つには中国語で「港」を意味するコチンからという説があります。また、この地に広く自生しているライチと同じに分類されているマタ・クチン(マレー語で猫の目の意味)にちなんで名づけられたという説もあります。クチンに住んでいる多くは中華系、マレー系の人々ですが、実はサラワクには、沢山の先住民族の人々がいて、そのすべての民族の人たちも住んでいます。
クチンの近郊には複数の国立公園があります。テングザルの棲み家として有名なバコ国立公園、世界最大の花で有名な「ラフレシア」が自生しているグヌン・ガディン国立公園、美しいマングローブの生態系保護区のクチン・ウェットランド国立公園、ヤシの木とランが群生するクバ国立公園があります。また、オランウータンが保護されているセメンゴ・ワイルドライフセンターと、マタン・ワイルドライフセンターがあります。
さらに内陸部へ行くと、先住民族のイバン族やビダユ族(ダヤク族)が暮らす沢山のロングハウスと言われている住居があります。サラワク州の先住民族は23民族いると言われていて、代表的なのはビダユ族(ダヤク族)、イバン族で、他には、ムル族、メラナウ族、オラン・ウル族、カヤン族、クニャー族、クラビット族、ブラワン族、ウキット族、ルン・バワン族、プナン族などがあげられます。
日本からの直行便はありません。クアラルンプール、シンガポールあるいは東マレーシア・サバ州コタキナバルでの乗換でクチン空港へ
- クアラルンプールから約1時間45分
- コタキナバルから約約1時間20分
- シンガポールから約1時間30分
・現在のフライトは成田⇒クアラルンプール⇒クチン と 関空⇒クアラルンプール⇒クチン の全日空とマレーシア航空との提携便があります。
参考(2020年12月時点)
1年中ほとんど変化がなく、最低気温21℃/最高気温32℃位です。年間降雨量は、約3,300~4,600mm前後ですが、11月~2月の北東モンスーンの時期は、雨期になり、降雨量が増します。服装は、夏服で充分ですが、レストランやホテル等は、冷房がきき過ぎていますので、上着があると便利です。
マレーシアの州の中で最大面積を誇り、世界遺産グヌン・ムル国立公園に代表される神秘の熱帯雨林と、多彩な先住民族の文化に出会えるサラワク州。総面積の半分以上が今なお人跡未踏の原生林で、州内には数多くの国立公園が点在しています。
19世紀にはホワイト・ラジャ(白人王)が3代にわたりこの地を治めていたことから、州都クチンにはコロニアル建築が随所に残っています。
ボルネオ島と言えばオランウータン
東マレーシアのサラワク州とサバ州には、環境破壊により、ボルネオ・オランウータンは棲み処を失ってしまい個体数が激減していることから、現在では絶滅危惧種に指定されています。それぞれの州には、傷ついたり、孤児となってしまったオランウータンのためのリハビリテーションセンターがあります。
セメンゴ・ワイルドライフ・リハビリテーションセンター
Semenggoh wildlife rehabilitation centre
サラワク州のクチン近郊には、セメンゴ自然保護区の中心に1975年に設立されたのがセメンゴ・ワイルドライフ・リハビリテーションセンターという施設があります。オランウータンをはじめとする絶滅の危機にある動物の保護に取り組んでいる施設で、オランウータンのリハビリや生態研究も行っています。約2~4年間リハビリを受けてから、セメンゴの森へ帰り、新しく生まれた赤ちゃんや母親達の避難場所ともなる場所になっています。クチン市内から約24Km
世界最大の花ラフレシアが自生しています。
世界最大の花として有名かつ強烈な臭いを放つことでも有名な花です。
グヌン・ガディン国立公園
Gunung Gunung Gading National Park
世界最大の花「ラフレシア」が自生しているグヌン・ガディン国立公園ですが、必ずラフレシアの開花が観れるとは限りません。ラフレシアは、発芽から開花まで9カ月以上かかりますし、開花したら、4~5日で終わります。さらに開花シーズンも無いです。故に幻の花ともいわれています。国立公園のスタッフは、「ラフレシア」の状況をチェックしていますので、クチンへ行ってから公園へ連絡をして、現在咲いているか?または近々咲きそうか?どうかを確認することをお勧めします。