マレーシアの大学について

 

マレーシアの教育システムと現状

マレーシアの教育制度は多民族国家であることや1787年-1957年英国植民地であり教育システムは英国を踏襲(英連邦国家)していることにより、日本人にはなじみがない部分が多いです。また大学の受験方法も日本とは大きく異なりますが、アジアの中心に位置する多文化国家マレーシアで学ぶことはたくさんのメリットがありますので、留学先としてぜひご検討下さい。

メリット

  • 多民族国家、英語だけでなく中国語などもしっかり学べる環境、日本から近く時差が1時間
  • 親日的で政治も安定し安心できる環境、医療も進んでおり日本語が通じる病院がある
  • ツイニングプログラムなどを利用してマレーシア以外での卒業資格を得ることができる等


マレーシアの教育制度と大学教育

マレーシアの教育制度について、簡単にご説明しますので、以下をご覧になってください。

初等教育 7歳で入学し就学期間は6年

公立(政府系=マレー語ベース)の他中国語ベース・タミール語ベース有

6 年生で全国統一テストUPSRを受け、その成績により進学できる中学校が振り分けられることが日本との大きな違い!

中等教育 中学+高校の5年制教育

中学3年で受験する全国統一テスト(PMR)結果により進学コースと就職コースに振り分け

中学5年で受験する全国統一テスト(SPM)の結果が次の高等教育への足掛かりとなる。

私立校によりOレベル(学力証明資格)カリキュラムがありマレーシアや外国留学の道が開かれているケースもある

中等教育後の進路 SPMやOレベル受験後の結果による高等教育のコース

(1)カレッジなどのディプロマ取得コースへ進学

(2)米国大学編入を目指すADPコースへ進学する

(3)大学進学準備コースへ進むなど

インター校 英国系やオーストラリア系など様々あり英語教育が基本でAレベルなど母国の大学入学に必要な資格を得られる。また近年はIBカリキュラムを取り入れた学校も増えてきているので、大学入学資格に生かすことができる

学校や民族もさまざま、入学方法や卒業までのルートもさまざまです!

国立大学はマレー語が中心ですので特にマレーシア文化やイスラム文化を学ぶ方以外は私立大学やカレッジで留学先を検討されるとよいと思います。マレーシアは現在教育ハブとなり、多くの海外の大学の分校もできています。通常の私立大学やカレッジより学費は高くなりますが、教授陣も本国から派遣されているので教育環境も高い水準となっています。主な大学についてご説明いたします。

国立大学 政府あるいは準ずる機関が運営(約20校)しマレー語ベースの授業

大学院以外はほぼ外国人の留学の対象にならない(アジアやイスラム文化研究除く)

私立大学・カレッジ(短期大学) 全国に約50以上あり、施設の充実度や授業水準によりユニバーシティー/ユニバーシティー・カレッジ/カレッジに分類される

正式に大学として確立されるのはユニバーシティーとユニバーシティー・カレッジのみ

英語ベースで授業が行われており海外からの留学生も多い

【特徴】海外の大学との提携が盛ん

ツイニング・プログラムや米国大学編入制度(ADP)などが盛ん(入学と卒業時で大学が異なる)

カレッジでも学士を取得できる学校もあるため、希望する学位や資格を中心に学校を選ぶことが大切です

外国の大学の分校 外国の大学のマレーシア校

モナッシュ/ノッティンガム/スインバン/カーティン/ニューキャッスルなど

最初から最後までマレーシアで学びその大学の学生の身分を得られる

教授も本校から派遣される場合が大半

【特徴】

海外と同じ水準の授業を受けられる

マレーシアの一般的私立大学より割高だが本国と比較すると半額程度

一定期間本校か他の分校で学べるインターキャンパス制度あり

途中から本校へ転入できる場合もある

留学の為のステップ

ステップ1. 大学での専攻やコース

進路パターンは様々

①私立大学やカレッジ(短期大学)では、海外大学とのツイニング・プログラムや米国大学編入コースを利用し途中から欧米へ進む

②ディプロマ(2年~2年半)コースからディグリーコース(3年/一部4年)へ進む

③全過程をマレーシアで学ぶなど

日本人にはやや不慣れなだが自分にあった受験方法を見つけ、進路を選択し、留学を成功させるために事前によく調べ、語学力をアップすることが大切になります!

専攻分野 人文科学/語学/法学/工学/経営/社会科学/サイエンス&エコロジー/コンピューター・サイエンス/IT/観光/薬学

金融/ADP/ホスピタリティー/アート/ ビジネス&情報科学/マスコミュニケーション/国際ビジネスなど

ツイニング・プログラム 大学間の提携プログラムの一種

履修課程前半をマレーシアで、公判を海外提携先大学で学ぶ制度

マレーシアの大学やカレッジで多く導入されている

提携先海外校はイギリスやオーストラリアなど3年制が多いので一般的にマレーシアで2年提携先で1年という「2+1」スタイルが多い。また場合により両大学から卒業資格を得られるダブルディグリー制を取っている大学もある

プログラムを実施する大学(コースに注意)

参考:サンウェイ・カレッジ経営学部→ビクトリア大学経営学部(オーストラリア)

参考:テイラーズ大学法学部→レディング大学法学部(イギリス)など

*厳選されたレベルの高い学校と提携していることが多く、入学時点でその大学への進学が保障されているという事は大きな魅力の一つとなる

米国編入プログラム マレーシアの大学やカレッジで1~2年過ごし、その間取得した単位を基に米国大学3年次に編入を目指すもの。頭文字をとりADPまたはADTPとよばれる。米国式大学教育は1~2年次は日本同様一般教育中心の為、ADPも同様なカリキュラムとなっている。        米国編入とよばれるが最近はカナダ、オーストラリア、イギリスにも対象が広がりつつある

ADPを実施している大学(コースに注意)

参考:

インティ・インターナショナルカレッジ/テイラー大学/サンウェイ大学/KDUユニバーシティー・カレッジ/セギ・ユニバーシティー・カレッジ/SITインターナショナル・カレッジ

*将来アメリカに留学したいと考えている人にとってオススメなプログラムであり、最初の数年をマレーシアで勉強することで、学費を押さえることができるのも大きなメリット!

ステップ2. 受験資格(基準)と取得可能な学位

大学入試制度は日本と大きく異なり、各大学の入試条件を満たしているかどうかで決まる

受験資格(留学の場合) 成績:高校成績証明(必英語翻訳)

国際バカロレア(IB)⇒日本の5または10段階評価で基準設ける

英語:IELTSまたはTOEFLのスコア

ポイント:英語力が足りない場合は大学付属英語コースなどでレベルアップ

入学時期 2学期制かか3学期制

入学チャンスは1~2月、4月、7~8月が多い(大学や学部による)

資格と履修期間 ①履修証明(Certificate):学位ではなく、特定の知識やスキルの履修証明

②ディプロマ:日本語では準学士といわれ、通常カレッジ(短期大学)など2年程度の専門課程修了であたえられる

③学士(バチュラー):日本の学士に当たり、日本の4年生大学卒業資格だがマレーシアでは英国同様通常3年課程

④修士:大学院修士課程修了者に与えられるもので通常期間は1~1.5年(研究コースと講義主体コース)

⑤博士:修士課程終了後更に3~4年の研究課程修了者。

*国立に多く、私立では大規模総合大学か海外大学の分校などに限られる。

*IELTSとは英語を母国語としない人の為の英語力判定テスト。日本で受験可能

*TOEFLEとはアメリカの運営機関によるものだが日本はインターネット版iBT方式の為、利用可能か大学に要確認

日本とはいろいろ異なる点があり複雑ですがそれだけ選択肢があるとも言えます。

日本人留学生にわかりやすいのは、

①海外の大学分校→語学力アップ→ファウンデーションコース→学士取得コース3年(インターキャンパスで1年海外で履修可能)

②マレーシアの私立大学で①と同様のコースを履修、またはADP(米国編入プログラム)2年→学士コース2年

ステップ3.  学校選び

外国の大学でマレーシアに開設された大学:ノッティンガム大学、モナッシュ大学、カーティン大学、ニューキャッスル大学、スインバン大学

特徴:

ツイニングプログラムや米国大学編入制度は入学時と卒業時の大学が異なるが、外国大学分校で学べば入学から卒業までその大学の学生。

メリット:

①教育水準の高さ:

教授陣も本校から派遣されているケースが多いので、本校と同じ水準の教育をマレーシアで受けられるとが特徴。

②経済的メリット:

マレーシア私立大学と比較すると学費など経費が割高ではあるが、本国で学ぶことと比較すると半額程度で収まる。

③本校や提携大学で学ぶメリット:

インター・キャンパス制度などを利用すれば途中から本校に編入できる場合もある。外国の大学との提携が進んでいれば、交換留学や提携先大学での単位認定(クレジット・十ランスファー制度)も利用可能

    学校名 タイプ   主要専門分野 入学基準英語力 E L S 証明書 準学士 学士号 修士号 米国編入 海外提携 ツイニング
Monash University Malaysia

オーストラリア系名門、世界ランキング69位

3年制 コミュニケーション/ビジネス&コマース/エンジニアリング等 ×

☆University of Nottingham Malaysia

英国名門校、英国水準の教育を実践

3年制 インターナショナル・リレーションズ/エコノミクス、エンジニアリング等 IELTS6.5        TOEFLE iBT88など ×

Heriot-Watt Univ.

プトラジャヤ/エディンバラ・ビジネススクールMBAあり

3年制 エンジニアリング/ビジネス/テキスタイル&デザイン等 ×

Univ. of Southamptonv

ジョホールイスカンダール地区・英国系大学

3年制 インターナショナル・リレーションズ/エコノミクス/エンジニアリング等 ×

Curtin University

オーストラリア系  東マレーシア(サラワク州)

3年制 ビジネス/エンジニアリング&サイエンス     ×  

Swinburne Univ.of Tecnology

オーストラリア系大学、東マレーシアサラワク

3年制 コマース/ビジネス/デザイン、エンジニアリン/ICTグ ×

☆本校(または同じ大学の海外分校)キャンパスで一定期間の履修が可能(通常1または2セメスター)が上限

その他各都市主要大学リスト準備中(各都市おすすめ校をご参照ください)

学費
生活費 ほとんどの大学に寮があるので最初ははそれを利用しましょう                                   (個室でも年RM22,100程度/sunway monash residence)

他にもルームシェアなども可能

約4万円~

 

卒業後の進路 航空会社・ホテル・旅行業=日本からのマレーシア訪問者は年間約40万人おり需要有

IT関連企業=マレーシアの日系企業の現地でのシステム構築やウエブサイト管理需要有

資源・エネルギー企業=天然資源に恵まれた国であり日経企業との接点から大手企業グローバル採用の需要有

その他日系企業=日系企業が約1400あり日本人スタッフの需要がある

日本で就職=海外での経験、語学力、キャリアを日本でアピールすることも可能

ステップ4.  学生ビザ申請スケジュール

6か月以上の留学にはStudent Visa(学生ビザ学生ビザ)が必要です。

また Student Visaで留学した学生や大学院生の親、配偶者及び子供にはLong Term Social Pass(長期滞在資格)の申請が認められていますので、必要な場合は学校からのレターと必要書類を移民局に提出。

(エージェントに依頼可能)